武蔵野東学園の特徴

武蔵野東学園の特徴は、一貫して自閉症児の自立を目指している点です。

その教育システムは「混合教育」と「生活療法」を中心に、集団教育・自立教育・教師と保護者の連携の5本柱から構成されています。

ここでは武蔵野東学園の中核となる「混合教育」と「生活療法」について解説します。


健常児と自閉症児が共に学ぶ「混合教育」

「混合教育」とは、自閉症児と健常児が最大限交流できるよう配慮された教育システムです。

自閉症児クラスと健常児クラスの教室は隣り合うので、休み時間は交流が可能で、昼食や団体競技も一緒に行われます。

また、能力や特徴に応じて自閉症児を健常児クラスに入れることも少なくありません。

「混合教育」は自閉症児に他者への関心を持たせると共に刺激を与え、健常児もまた多様性による共生を学びます。


独特の自閉症児教育システム「生活療法」

「生活療法」とは体力と心、そして知的開発の3つの柱を根幹とする指導法です。

一見、一般的な教育法と何ら変わらないように見えるのですが、体力づくりによる生活リズムの確立が心を安定させ、知的開発への集中力と自発性を育んでいきます。

武蔵野東学園の「生活療法」と一般的な障害児教育との大きな違いは、「できない」ではなく「できる」に着目している点です。

「できる」を伸ばし、「できない」は生活に支障がない程度まで時間をかけて習慣づけしていきます。「できる」が増えた子どもたちは、自分に自信を持てるようになり、周囲に関心を持ち始めるのです。


世界中から注目を集める武蔵野東学園の教育

武蔵野東学園の「混合教育」はインクルーシブ教育とも呼ばれ、国連でも議論されている教育方法です。

ハーバード大学教授のジェローム・ケーガン博士が、武蔵野東学園の取り組みを全米の障がい児教育機関に紹介したことがきっかけとなり、姉妹校としてボストン東スクールを開校したのは1987年のことでした。


また、2020年には国際パラリンピック委員会のバーンズ氏より、共生社会の実現に向けた取り組みとして感謝のメッセージを送られています。国内においてもインクルーシブ教育の重要性が強調され、武蔵野東学園のこれまでの軌跡が着実に実を結びつつあります。


日本の行政機関からも高い関心を寄せられる

武蔵野東学園には、1964年の創立当初から日本の行政機関も高い関心を示していました。

そのため、当時の奥野誠文部大臣からの支援もあり、自閉症児教育の先駆けとして武蔵野東小学校、武蔵野東中学校、武蔵野東技能高等専修学校と立て続けに開校していきます。

武蔵野東学園の独自の教育システムは、研究者のみならず、文部科学省や厚生労働省、東京都が強い関心を示して支援し、世界的にも高い評価を得ています。


ハーバード大学教授の見学がきっかけでボストン東スクールを開校

ハーバード大学の教授であるジェローム・ケーガン博士は武蔵野東小学校を視察し、帰国後にアメリカの障がい児教育関係者に武蔵野東学園の取り組みを紹介しました。

すると、全米から学園長への講演依頼が殺到し、同種の学校をアメリカにも設立してほしいとの要請が相次ぎました。

そして、1987年に開校したのがボストン東スクールです。

ボストン東スクールは後に全米優秀私立学校として表彰されています。


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